腸に異常が起き、タンパク質がもれ出す状態。慢性的な下痢を引き起こす
おもな症状

- もっとも多い症状
下痢・軟便
下痢や軟便が毎日続くこともあれば、数日おきに起こる場合も。長引く下痢は、体力を消耗させるため、かかりつけ医に相談を。
嘔吐
嘔吐は、必ずしもあらわれる症状ではありません。ゲーゲーとおなかから押し出すように吐き、ヨダレも見られます。
元気の消失や体重の減少
下痢や嘔吐で体力を消耗し、元気がなくなったり、体重が減ったりします。下痢や嘔吐がなくても、体内のタンパク質量が減少することから、体重が減ることもあります。
- 重症化すると…
腹水がたまる
腸にもれ出るタンパク質の量が増えると、低蛋白血症になります。 そうなると、血液中の水分が血管の外にもれ出し、腹水となってたまります。 腹水で胃が押されて食欲不振になることも。
蛋白喪失性腸症を引き起こす
原因となるおもな病気

蛋白喪失性腸症は、腸の腫れや炎症を引き起こす病気、腫瘍などが、おもな原因になっています。
これらの病気に対する治療を行うことで、蛋白喪失性腸症も改善していきます。
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- リンパ菅拡張症
腸内のリンパ管が詰まる、破れる
などしてタンパク質がもれる腸をめぐっているリンパ管の一部が詰まってふくらんだり、破れたりして、タンパク質を含むリンパ液が腸内へもれ出る病気です。
腸の炎症や腫瘍などが原因になる場合もある一方、原因がわからないケースも。- 治療法
超低脂肪食による
食事療法が基本
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- 炎症性腸疾患
腸の粘膜が炎症を起こし、
タンパク質がもれ出る胃や腸の粘膜に慢性的に炎症が引き起こされ、下痢や嘔吐、食欲不振などの症状が見られます。腸の粘膜に炎症があると、タンパク質が腸内にもれ出しやすくなるため、蛋白喪失性腸症になります。
- 治療法
薬の服用や食事療法
などでコントロール
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- 消化管型リンパ腫
リンパ腫の細胞が増殖して
腸内に異常が起きる胃や腸に見られる腫瘍で、しこりが発見されることも多く、胃や腸のリンパ節の腫れが確認されることも。腸内のしこりや、腸の腫れなどの影響で、タンパク質が腸内にもれ出し、蛋白喪失性腸症になります。
- 治療法
抗がん剤による
化学療法が一般的
